自由落下により物体に発生する衝撃加速度の算出

物体がある落下高さから自由落下し、床面に衝突すると、物体には衝撃加速度が発生します。

このとき落下する物体を1自由度のバネマス系(図1)と仮定することで、発生する衝撃加速度の計算を容易にします。

図1

この系において、質量m、バネ定数kとし、落下高さhから自由落下するとき、運動方程式とエネルギー保存則から、質量部に発生する最大加速度aは以下の式で表されます。

式1

gは重力加速度(9.8m/s2)です。この式より、以下のことがわかります。

  1. 落下高さhが高いほど、発生する加速度が大きくなる
  2. バネ定数が大きい(かたいバネになればなる)ほど、発生する加速度は大きくなる
  3. 質量が大きいと、発生する加速度は小さくなる

上記3に関しては、理論上、バネが十分に運動エネルギーを吸収できる(線形バネが十分に変形できる)ことが前提となっています。実際には質量が大きすぎるとバネがその質量を支えきれず、座屈が生じ、バネ定数が急激に増加することで高い加速度が発生することも考えられます。

ケーススタディ

以下のような物体が自由落下したとき、物体に発生する加速度を計算してみましょう。

【与条件】落下高さ0.8m、質量10㎏、バネ定数100kN/m

与条件を式1に代入すると、a=(2*9.8*0.8*100,000/10)0.5≒396 m/s2=40.4G

このように、単純なモデルを用いれば、どの程度の加速度が発生するかが容易に算出できます。

加速度計測ツール

このように落下時に発生する衝撃加速度波形を記録できる装置に、加速度計測システムショックマネージャがあります。

ショックマネージャ