試験機/計測器/テストラボ

神栄テクノロジー株式会社
神栄テクノロジー株式会社

インタビュー

様々な要求に対応できる衝撃試験機で多くの企業を支援

yamagata01

山形県工業技術センター 置賜試験場 様 (https://yrit.jp/)

山形県工業技術センター 置賜試験場様は、落下衝撃試験機を保有され、山形県のみならず多くの県外企業からの試験依頼に対応されています。 今回、置賜試験場 機電技術部の高橋様、奥山様に、衝撃試験機の具体的な活用内容についてお伺いました。

山形県工業技術センター概要

---山形県工業技術センターの概要と主な活動について教えてください

 山形県工業技術センターは、山形県内の工業の振興と発展を目的として、山形県が運営する技術支援機関で大正7年に設立されました。ものづくり企業を支援する公的機関としては県内唯一であり、山形県工業技術センター、置賜試験場、庄内試験場の3拠点で活動しています。

 主な業務には、技術相談(7,453件/年)、出張相談(1,159件/年)、共同研究・受託研究(26件/年)、トライアル共同研究(42件/年)、委託分析試験・設備利用(24,595件/年)や技術者養成などがあります。(括弧内の件数はいずれも2024年度実績)

 また技術支援実績の事例に、エレベータ用高硬度シーブ、日本一の芋煮会フェスティバル大鍋、さまざまな種類のプラスチック素材を自動判別できるプラスチック材料判別装置などがあります。

置賜試験場における活動

---置賜試験場では、どのような取り組みが行われているのでしょうか

 置賜試験場(当試験場)では、主に機械・織物・染色・電子・化学・金属・プラスチックなどの技術分野に特化した技術相談や共同研究、委託分析試験などの技術支援業務を行っています。

 これら業務に加えて、山形大学工学部と県内ものづくり企業が一体となって取り組む「技術交流によるイノベーションの創出」にも参画しています。具体的には、当試験場内に技術交流スペースを設置し、ここで様々な打ち合わせや実験検証等を行いながら、産学官が連携した技術開発を行っています。

 この成果のひとつとして、3Dゲルプリンタの開発があります。これは、さまざまな硬さの立体物を造形することができるプリンタで、今後、医薬分野や食品分野などでの活用が期待されます。その他、山形大学の技術シーズと県内ものづくり企業をつなげるための技術交流会も、当試験場が中心となり定期開催しています。

---置賜試験場には、どのような試験設備がありますか

 当試験場には、振動試験機、落下衝撃試験機、高速度ビデオカメラ、精密万能材料試験機、分析走査電子顕微鏡など※1がございます。特に振動試験機と衝撃試験機は相談や委託試験件数が多い装置となっています。


山形産技研
置賜試験場内 衝撃試験機 ASQ-700

※1 山形県工業技術センター 依頼試験設備ラインナップ(https://yrit.jp/mainequipment/)


落下衝撃試験機の導入背景

---衝撃試験機が導入されることとなったきっかけを教えてください

 以前は振動試験だけを実施していましたが、JISやMIL、IECなどの試験規格には、振動試験だけではなく、衝撃試験も規格化されていることが多く、振動と衝撃を一括で実施したいニーズが高まったことが、衝撃試験機を導入することとなった背景です。
 現在は、神栄テクノロジー製衝撃試験機ASQ-700(最大加速度600G、作用時間2~25ms)、高加速度発生装置HGP-150(最大加速度5000G)を導入し、委託試験や研究開発などで利用しています。

落下衝撃試験機の活用事例

---落下衝撃試験は具体的にどのように活用されていますか

 落下衝撃試験機は主に委託試験で活用しています。対象物は電子機器、電子部品、包装貨物(等価落下試験)が多く、およそ50件/年の実績があります。このうち半分程度が、山形県外(宮城県、福島県など)からの利用となっていることが当試験場の特徴です。

---なぜ他県からの衝撃試験依頼が多いのでしょうか

 当試験場が保有する衝撃試験機には、様々な衝撃波形が生成できる「緩衝可変装置※2」が付属しているため、IEC、UL、MILなど、幅広い衝撃試験規格に対応できます。これにより、他の試験機関では実施困難な試験条件でも、当試験場では対応できることが多いため、他県企業からも利用が多い要因となっています。また、企業からのリピート率が高く、当試験場の衝撃試験機は無くてはならない設備として支持を得ています。

山形産技研
衝撃試験の様子(左:等価落下試験(角落下)、右:高加速度発生装置の設置状態)

※2 緩衝体の交換は不要で、衝撃波形の作用時間を任意に調整できる装置のこと
(https://www.shinyei-tm.co.jp/shocktesting/2024/02/29/202403programmer/)


今後の取り組みについて

---置賜試験場の今後の取り組みについて教えてください

 当試験場がこれまでに築いてきた信頼性試験の機関としてのブランドをさらに拡大していくことを目指し、今後も様々な試験分析設備を充実させながら、より多くのものづくり企業に対する技術支援を提供していきたいと考えています。

---神栄テクノロジーへのコメントや今後期待することなどあればお願いします

 衝撃試験機メーカである神栄テクノロジーには、試験に関する技術相談で迅速に回答いただいていることや、技術セミナーも活用させていただいており、大変助かっています。落下衝撃試験機の更なる活用に向けた様々な支援を、今後も期待したいと思います。

山形産技研
インタビュー風景

※本内容は2025年9月時点の情報に基づいています。



今回採用された試験機

衝撃試験機 ASQ-700:詳細仕様はこちら

資料ダウンロード

本インタビュー記事はPDF資料がダウンロードできます